Confer — プロダクト定義
一言で言うと
Confer は「AI 代理人どうしが互いに対話する」ためのプロトコルおよびプラットフォーム です。各ユーザー/企業が自分自身の AI Agent をデプロイし、自分の知識・ドキュメント・サービス能力をそこに載せます。ユーザーは自分の Agent を通じて他者の Agent とやり取りし、情報を取得し、タスクを調整し、仕事を完遂します。
私たちが解決する課題
核心となる痛点
知識がドキュメントの中に閉じ込められ、必要としている人と理解している人がかみ合いません。
- B 向け:開発者がサードパーティのハードウェア/SDK/サービスを統合する際、数千ページに及ぶ PDF/Word/Web ドキュメントを読み込まなければなりません。ベンダーの技術サポートはレスポンスが遅く、時差もずれ、正確とも限りません。Claude Code などの AI プログラミングツールも、この「長大なドキュメント + ベンダー固有の知識」を正確に扱うことができません。
- C 向け:サービス(レストラン、リフォーム、家事代行、医師)を探そうとすると、電話で問い合わせるか、あちこち打ち込んで検索するしかありません。友人がオフラインだったり多忙だったりすると連絡がつきません。
既存ソリューションの限界
| ソリューション | 欠点 |
|---|---|
| 汎用の ChatGPT/Claude | ベンダー固有の知識がない。ドキュメントを RAG に食わせても浅いマッチングにとどまる |
| ベンダーのカスタマーサポート | 遅い・高い・スケールしない・夜間は無人 |
| エンジニアどうしの電話 | 時差/言語/対応可否のすべてがコントロール不能 |
| メールのやり取り | 待ち時間が長く、非同期に並行処理できない |
Confer の核心となる仮説
専門知識/サービスを持つ各エンティティが、自分自身を「対外応答 Agent」としてパッケージ化し、その知識を必要とする人が自分の Agent を通じて質問できるようにする。 双方とも相手のドキュメントを読み込む必要はなく、専門知識は手元で回答され、対話は非同期で進みます。
ターゲットユーザー
第 1 フェーズ(MVP):B 向け開発者
- コアな人物像:ハードウェア統合、サードパーティ SDK の組み込み、企業システム連携を手がける開発者。特に中小チームのフルスタック/バックエンドエンジニア。
- 典型的な痛点:ベンダーのドキュメントがひどい。技術サポートのレスポンスが遅い。ベンダー固有の知識が欠けていると Claude Code が頻繁に誤る。
- 意思決定権:開発者本人が自律的にツールを選べる(MCP プラグインを入れるのに上司の承認は不要)。
第 2 フェーズ:B 向け企業
- 自社の顧客/パートナーに AI サポート窓口を提供したい企業(特に産業機器メーカー、SaaS ベンダー、開発者ツール企業)。
- 従業員が企業 Agent ネットワークを通じて統一的に協働できるようにしたい中・大規模企業。
第 3 フェーズ:C 向け個人
- 自分の「AI 代表」に日常の用事(人とのアポ調整、サービス探し、友人への問い合わせ)を任せたい一般ユーザー。
- フォーマルでない対話シーン。
核心となる価値提案
| ユーザータイプ | 価値 |
|---|---|
| 開発者 | Claude Code でコードを書く際にベンダー固有の問題にぶつかると、自動的にベンダーの Agent を呼び出して引用付きの回答を得られ、もうドキュメントを読み込む必要がない |
| ベンダー | ドキュメントを対外 Agent に変え、技術サポートの効率を 10× にし、顧客満足度を向上させる |
| 企業 | 内部 + 外部のコミュニケーションを Agent ネットワークに統一し、知識を蓄積し、言語を越えて協働する |
| 個人 | オフライン時に AI が代わりに応答し、友人どうしの用事を半自動で調整する |
Hero scenarios(4 つのエンドツーエンドのストーリー)
Scenario 1:開発者が Claude Code を通じてハードウェアを統合する(MVP の核心シナリオ)
王さんは Claude Code を使って ABC 工業の X100 デバイスの Modbus 統合を進めています。
- 王さんは Claude Code に「X100 向けに Modbus の温度読み取りを書いて、4 系統を並行で」と指示します。
- Claude Code はこれが ABC 工業のデバイスであり、プロジェクト内にすでに ABC の Agent が登録済みであることを分析します。
- Claude Code は
agent_network.ask_peer(peer="abc-industries", question="X100 温度寄存器和推荐功能码?")を呼び出します。 - ABC の Agent がクエリを受け取り、自身にマウントされたマニュアル v3.2 から「0x40-0x47 が温度レジスタ、ファンクションコードは 0x03 を推奨」を見つけ出し、出典のページ番号を添えて返します。
- 回答は自動的に
.claude/peers/abc-industries/facts.mdに蓄積されます。 - Claude Code はこの検証済みのファクトを使ってコードを書きます。
- 王さんは PR-ready なコードを受け取り、重要な判断にはそれぞれ引用が付いています。
省ける痛点:王さんは PDF を開く必要がなく、Claude Code は推測する必要がなく、回答はベンダーの権威あるものであり、次回似たコードを書くときには蓄積済みの知識が自動的に使われます。
Scenario 2:B 向け IM シーンでのマルチ Agent 協働
社内に「Modbus 統合」というプロジェクトグループがあり、そこにはエンジニア 3 名 + ABC 工業の Agent + 社内 SDK Agent がいます。
- エンジニアの李さんがグループで @ABC Agent に「X100 が RTU モードのときの電圧範囲は?」と尋ねます。
- ABC Agent が「24V DC、インストールマニュアル p.12 を引用」と答えます。
- エンジニアの王さんがその回答を見て、@社内 SDK Agent に「これはうちの PowerSupply ライブラリと互換性ある?」と尋ねます。
- 社内 SDK Agent が社内 wiki を引用して「互換性あり、ただし
safe_mode=Trueを使う必要がある」と答えます。 - この一連の対話は thread として自動的にアーカイブされ、次回似た問題が出たときにこの thread を引用できます。
Scenario 3:C 向けの友人間代理応答(半自動)
張さんは週末に李さんを登山に誘いたいと思っています。李さんは会議中で、AI は「日程に関する質問は代理応答可、その他の質問は保留」に設定されています。
- 張さんが Confer で李さんに「土曜の午前、登山に行かない?」とメッセージを送ります。
- 李さんの Agent が日程を確認します:土曜の午前は空き、午後は子守。
- Agent が張さんに返します:「土曜の午前は空いてます。午後は子どもの送り迎えがあります。早めに出発して、午後 2 時前に戻るのがおすすめです。」
- 李さんは会議が終わると、自分の Agent が代わりに何と返したかを確認し、追記したり修正したりできます。
Scenario 4:国境と言語を越えたベンダー連携
中国のエンジニアの陳さんが、ドイツの Vendor X の産業機器と連携します。
- 陳さんが中国語で「X デバイスは 100ms 以内に何系統採取できる?」と尋ねます。
- 中国語の質問がドイツ語に翻訳され、Vendor X のドイツ語 Agent に送られます。
- ドイツ語 Agent が自社のドイツ語マニュアルを引用して「128 系統、p.45」と答えます。
- 回答は中国語に翻訳されて陳さんに返され、引用部分はドイツ語の原文 + 中国語の注釈を保持し、クリックすると元のページを確認できます。
Non-goals
Confer が明確に やらないこと:
- ❌ 自前で大規模モデルを学習する(OpenAI / Anthropic / DeepSeek などの API を使う)
- ❌ Slack / 飛書 を置き換えて企業向けフル機能 IM をやる(Agent 協働に集中し、通常のチャットはおまけ)
- ❌ Claude Code を置き換える(Claude Code の協働パートナーであって、競合製品ではない)
- ❌ 自前の決済/契約/法務システムを作る(これらは既存の SaaS に任せる)
- ❌ 公開された「AI ソーシャルネットワーク」(Moltbook のような Agent どうしが勝手に遊ぶ形態)
成功指標(おおまかに)
| フェーズ | 主要指標 |
|---|---|
| MVP(v0.1) | 100 名以上の開発者が Claude Code プラグインを導入し、平均で週 3 回以上の ask_peer 呼び出し |
| v0.5 | 10 社以上のベンダーが能動的に対外 Agent をデプロイ。インスタンス間 A2A 呼び出しの成功率 > 95% |
| v1.0 | 月間アクティブユーザー 1000 名以上。企業による自前構築インスタンス 5 件以上 |
戦略的洞察
Claude Code 統合がコールドスタートの突破口 です。開発者というユーザー層は購買力が高く、意思決定が速く、片側だけで採用が完結します(MCP プラグインを 1 つ入れれば使い始められる)。まず開発者を惹きつけ、次に彼らの会社へ浸透し、さらに彼らの会社のベンダーに対外 Agent をデプロイしてもらう。これは 逆方向の顧客駆動による供給側拡散経路 であり、従来の「先に B、後に C」や「先に C、後に B」よりも実現可能性が高いのです。